警備員の仕事は暇なので、ふと「辞めたい」と感じる瞬間が訪れることも多々あるでしょう。
長時間の勤務や人間関係、体力的な負担など、様々な理由から退職を考える方は少なくありません。
しかし、いざ辞めたいと思っても、どのように進めるべきか悩むことが多いのも事実です。
本記事では、警備員としての退職をスムーズに進めるために知っておくべきポイントや、円満に辞めるためのコツを解説します。
退職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
警備員を辞めたいと感じたら考えるべきこと
●円満退職を目指すための準備
●警備員の退職理由はどう伝えるべきか
●バックレはNG!警備員の退職リスク
●制服の返却でトラブルを避ける方法
警備員を辞めたいと思う時期はいつが最適?
警備員を辞めたいと考えたとき、そのタイミングを見極めることが大切です。
特に注意すべきポイントは、退職時期によって自分や周囲に与える影響が異なることです。
例えば、施設警備ではシフトが事前に決まることが多いため、シフトが始まる前や、シフト変更が可能な時期に辞める意思を伝えると、会社に迷惑をかけにくくなります。
一般的には、2週間前に退職の意思を伝えることが法律上の最低限のマナーですが、施設警備などでシフトが長期にわたる場合は、1ヶ月前など、より早めに伝えることが望ましいです。
これにより、会社側が次の人員を確保しやすくなるため、スムーズな退職が可能になります。
円満退職を目指すための準備
円満退職を目指すためには、しっかりとした準備が必要です。
まず、退職の意思を伝える際には、直属の上司に最初に報告することが基本です。
ただし警備員の場合、直属の上司が社長や支社長になってしまう事が多いので、下番の報告時などで電話に出た内勤に伝えるのが一般的になります。
次に、退職理由を明確にしておくことが重要です。
退職理由は簡潔で理解しやすいものであるべきです。
また、退職日の調整については、会社側が業務に支障をきたさないよう、可能な限り協力する姿勢を示すことが大切です。
さらに、制服や備品の返却手続きについても準備しておくとよいでしょう。
警備員の制服は特に重要で、返却が遅れるとトラブルになる可能性があります。
すべての物品をきちんと管理し、期限内に返却できるよう準備しておきましょう。
警備員の退職理由はどう伝えるべきか
警備員の退職理由を伝える際には、正直でありながらも前向きな理由を選ぶことが大切です。
例えば、キャリアアップを目指して新しい業界に挑戦したい、健康上の理由で体力を要する業務が難しいといった理由は、理解されやすいものです。
一方、会社の人間関係や業務内容への不満を理由にする場合、相手に悪い印象を与える可能性があるため、避けた方が無難です。
もし、どうしてもネガティブな理由を伝える必要がある場合は、言い方を工夫し、個人の成長や今後の展望に焦点を当てると良いでしょう。
また、退職理由はシンプルで分かりやすいものにすることが重要です。
長々とした説明は避け、要点を簡潔に伝えることで、相手にスムーズに理解してもらえます。
このように、退職理由は正直で前向きな内容にし、相手に理解してもらいやすい形で伝えることが、円満な退職につながります。
バックレはNG!警備員の退職リスク
警備員が突然退職する、いわゆる「バックレ」は絶対に避けるべきです。
バックレをしてしまうと、まず会社に大きな迷惑をかけることになります。
警備業務はその日その日の人員配置が非常に重要であり、急な欠員が出ると業務に大きな支障が出る可能性があります。
さらに、バックレは信用を失う行為でもあります。
警備会社は退職後も制服の返却や在籍確認などで連絡を取り合う必要があるため、バックレるとその後のやりとりが非常に困難になります。
最悪の場合、制服を回収するために自宅に訪問されるなど、トラブルが発生することもあります。
また、次の転職先が警備業界である場合、バックレの事実が知られると、新たな雇用にも影響を及ぼす可能性があります。
信頼を失わないためにも、辞める際は必ず正規の手続きを踏むことが重要です。
制服の返却でトラブルを避ける方法
警備員が退職する際、制服の返却は非常に重要なステップです。
まず、警備員の制服は警察署の認可を受けた特別なものであり、紛失や未返却は重大な問題となることがあります。
そのため、退職の際には必ず会社に返却することが求められます。
制服返却でトラブルを避けるためには、退職が決まった時点で、どのアイテムを返却しなければならないかを確認しておくことが大切です。
制服だけでなく、備品やその他の貸与品も対象になることが多いため、リストを作成し、退職日までにすべてを揃えておくとスムーズです。
不足品があると再度会社を訪問しなければならないので非常に面倒です。
また、返却時には、会社の指定する方法で返却するようにしましょう。
直接手渡しが求められる場合や、郵送が許可されている場合がありますが、いずれにしても確認の上、確実に返却を行うことが重要です。
警備員を辞めたい時に知っておくべき注意点
●警備員を辞めたい人への実践的アドバイス
警備員の退職後に気を付けるべきこと
次の転職先が警備業界である場合、必ず前の勤務先への在籍確認が行われます。
そのため、前職での評判が悪くならないよう、円満に退職しておくことが重要です。
前述の通り、退職理由や手続きに問題がないかを確認し、トラブルを未然に防ぐことが求められます。
さらに、退職後の社会保険や年金の手続きも忘れずに行いましょう。
会社を辞めると、健康保険や年金の支払い方法が変わるため、市区町村役場での手続きが必要になります。
これらの手続きを怠ると、後々の生活に影響が出る可能性があるため、早めに対応することが肝心です。
警備員を辞めたい人への実践的アドバイス
警備員を辞めたいと考えている方には、いくつかの実践的なアドバイスがあります。
退職意志の伝え方
会社に出向いて退職の意志を伝えるのが誠実かもしれませんが、電話でも全く問題はありません。
誰に言えば良いのか分からない場合は、仕事終わりの下番時で電話に出た人に伝えれば、しかるべき人と代わってくれます。
そこで退職理由を簡潔に伝えれば、その後の手続きについて教えてもらえるでしょう。
退職を伝えるタイミング
一般的にはアルバイトを辞める場合、法律では退職を申し出て2週間後に辞める権利を得ます。
したがって、警備員についても2週間前までに退職の意思を伝えるのが一般的です。
ただし、施設警備などで一ヶ月のシフトを決めてしまうような場合は、もっと早めに伝える方が親切ではあります。
では交通誘導警備員(2号警備)の実態として、2週間以上前に退職を伝えるかというと、残念ながら前日や当日にいきなり「辞めます」のパターンが多く見受けられます。
2号警備では引き継ぎ等も無いので、欠員時の対応はしやすくはあります。
ぶっちゃけた話、よほど頼りにされていない限り、2、3日前に言っても全く問題はありません。
バックレは無理
警備員には、タチが悪いことに連絡もせずにバックレようとする人が非常に多いのが実態です。
退職を伝えるのは気が重い行為なので、顔を合わせないまま自然消滅したい気持ちは分かります。
しかし、警備業界ては連絡が取れない状態でのバックレは許されません。
電話連絡がつかなければ家にでも押しかけます。
それは何故かというと、制服を返してもらわないといけないからです。
警備員の制服は警察署から認可を受けた制服であり、悪用も可能なので必ず回収する必要があります。
つまり、どうせ辞めるのなら正規の手順で気持ちよく退職した方がスムーズに辞められるということです。
警備会社は警備員が辞めていくのに慣れていますので、嫌な顔ひとつせずにすんなりと辞めさせてくれます。
逆に、引き止められたとしたら、よほど優秀だったに違いありませんので誇ってもいいと思います。
装備品の返却
装備品は貸与品であり、多くの警備会社では制服支給時に保障金を給与から天引きします。
退職時に装備品を返せば返ってくるお金なので忘れずに受け取りましょう。
また、制服はクリーニング後に返却する会社もありますので、事前に確認が必要です。
退職理由
警備会社は警備員の退職には慣れているので、基本的には正直な退職理由で問題ありません。
ただし、次の転職先に警備会社を考えている場合は少し注意が必要です。
警備会社は入社時に必ず過去5年間の勤め先に連絡します。
基本的には、確かに勤めていたという在籍確認だけですが、変な退職をしていた場合は採用に不利な告げ口をされてしまうかもしれません。
人間関係や会社批判といった退職理由は、なるべく避けた方が無難です。
ちなみに私は警備会社を数度退職しておりますが、いずれも円満に笑顔で見送って頂いております。
以下が実際に会社に告げた退職理由です。
「そろそろ真剣に就職活動しようと思うので」
「別の給料が高い警備会社に移ります」
「施設警備は向いていないようなので」
「就職が決まったので」
「肘が慢性的に痛くて」
と、こんな退職理由です。
いずれの警備会社でも「いつでも戻っておいで」と言ってもらえています。
警備員は意外と以前いた警備会社に出戻る事の多い職種です。
他の警備会社に移って給料が上がったはいいものの、その他の待遇が悪く出戻るパターンです。
実際私も一度辞めた警備会社を5年後に出戻った経験があります。
変な辞め方さえしなければ、出戻りでも警備会社はいつでも快く迎えてくれるのです。
退職理由なんて嘘でも何でも良いんで、円満スムーズな退職を心掛けましょう。
警備員を辞めたい場合まとめ
記事のポイントをまとめます。
✅退職の意思は2週間前までに伝えるべき
✅シフトが長期の場合は1ヶ月前に辞意を伝えるのが望ましい
✅退職理由は簡潔で理解しやすいものにする
✅退職日は業務に支障が出ないように調整する
✅制服や備品の返却手続きを事前に準備する
✅退職理由は正直で前向きな内容にする
✅警備員はバックレは無理
✅制服返却はトラブル回避のため重要
✅返却すべきアイテムはリストで確認しておく
✅返却方法と期限を会社に確認しておく
✅次の転職先が警備業界なら前職での評判が重要
✅退職後は社会保険や年金の手続きを忘れず行う
✅円満な退職が出戻りの際にも有利になる