警備員が行うKY活動の方法とKYシートの書き方

これから警備員

工事現場ではしばしばKY(危険予知)活動が行われます。KYは一般的に使われるそれではなく工事業界の用語となります。

KY活動とは

工事を行うにあたって可能性のある危険(K)を予知(Y)し、作業をする全員で共通認識を行うことにより事故を未然に防ごうという取り組みです。

KY活動は作業員だけでなく警備員も行わないといけない時があります。
よくKYシートを書かされる現場として、ゼネコン絡みの建築現場や公共事業の舗装現場では、ほぼKYシートの提出を求められます。

 

KY活動の重要性

工事現場には危険がいっぱいです。
一歩間違えると大怪我や命に関わるような事故を起こしかねません。
これを防ぐためにKY活動は欠かせないのです。

人はやってはいけない事を頭では理解していたとしても何となくやってしまうものです。これを防ぐためにミーティング等で危険を再認識するのはとても重要なことです。

また、人によっては危険だとは思わなかったような行動が実は非常に危険である事もしばしばあります。人は突然のハプニングが起こった時、動揺して正しい行動が取りづらくなります。あらかじめ頭に危険であるという認識が有るのと無いのとではその後に取る行動に大きな違いが生じるでしょう。

 

KYシートの書き方

KYシートは工事開始前に監督から渡されます。よくあるシンプルなシートが以下のような紙です。

業者によってフォーマットは違いますが書く項目はこんな感じです。細かい業者だと危険のポイントごとに危険度を数値化するようなシートも増えてきています。

KYシートは作業を行う業者ごとの代表者が記入することになりますが、これがかなり面倒です。
建築現場などは毎日同じ現場だと書く内容が毎日同じになってしまいます。
他の人の書いた項目をメモるなどしてKYシートに書く項目のレパートリーを増やしておくと良いでしょう。

現場の種類ごとのKYシートの記入例

KYシートに記入する事項のひな型です。どこの現場でも使えそうな項目だと思いますので参考にどうぞ。

建築現場での記入例

危険ポイント

・工事車両の搬入時に歩行者・自転車と接触
・工事車両の搬入時に後方車両が追突
・工事車両の搬出時に一般車両と接触
・工事車両の搬出時に歩行者・自転車と接触
・工事車両が規制外に停車時、第三者との接触
・ゲート内への第三者の侵入
・ゲート外での作業時、歩行者・自転車が規制内へ侵入
・溶接火花の歩道への飛び出し
・歩行者が段差で転倒
・自転車が段差で転倒
・高所作業時に資材の落下
・周辺住人からのクレーム
・ゲート外で資材運搬時に第三者と接触
・クレーン引き上げ時に資材が落下

私たちはこうする

・周囲確認の徹底
・声掛けの徹底
・ドライバーとのコミュニケーションの徹底

・指差し確認の徹底
・工事車両の安全な制止・進行の指示
・歩行者・自転車の安全な誘導
・歩行者への頭上注意の声掛け
・工事車両が規制外に停車時、第三者の誘導
・バック誘導時は警笛の使用
・狭くなった歩道での安全な誘導
・自転車は押して通行のお願い
・資材の落下注意
・周辺住人との円滑なコミュニケーション
・規制外での作業時は警備員が同行する
・規制外での作業時は保安機材を準備
・安全が確認できるまで歩行者を制止
・搬入車両の管理を徹底

道路現場での記入例

危険ポイント

・工事車両が規制に入る時に第三者と接触
・工事車両が規制に入る時に後方車両が追突
・工事車両が規制を出る時に第三者と接触
・歩行者・自転車が規制内に侵入
・作業員の規制外飛び出し時に一般車両と接触
・段差で歩行者が転倒
・段差で自転車が転倒
・規制内住居からの住人の出入り
・ユンボ旋回時に第三者と接触
・片側交互通行でお見合い
・保安機材と一般車両が接触
・小学生の集団下校時の事故

私たちはこうする

・周囲確認の徹底
・指差し確認の徹底
・ドライバーとのコミュニケーションの徹底
・分かりやすく明確な誘導

・工事車両の安全な制止・進行の指示
・作業員の道路飛び出し注意
・バック誘導時は警笛の使用
・明確な迂回の案内
・工事個所の詳しい説明
・周辺住人との円滑なコミュニケーション
・警笛を使用して注意喚起
・保安機材は適切な位置に設置
・小学生の集団下校時に作業員への声掛け

その他には雨や雪、熱中症の対策などの気象状況も盛り込むと良いでしょう。

例)・狭い通路内での傘の注意
・雪で滑りやすいので余裕をもった誘導
・水分補給の徹底

KY活動は現場に関わらず必ず行いましょう

ハッキリ言って現場でのKY活動は、やらされている感が否めません。KYシートを書くのも隊長だけで他の隊員は興味も示しません。
それはそれでも良いのですが、最低限自分自身の持ち場におけるKY活動は行っておきましょう。

私の場合は自分の身の安全しか考えない警備員でしたので、どんな現場でも常に頭の中でKYをやっていました。
皆さんも自分の身の安全のために是非とも「脳内KY」をやってみてはいかがでしょうか。