警備員がクレームでクビになる可能性とリスクを避けるための対策

警備員がクレームでクビになる可能性とリスクを避けるための対策 その他

警備員の仕事は多くの場面で安全を守る重要な役割を担っています。

しかし、時にはクレームが原因でクビになってしまうこともあるかもしれません。

この記事では、「クレームが原因でクビになることがあるのか?」という状況の具体的な理由と、その背景について解説します。

警備員としての職を失わないために、クビになる主な理由を理解し、避けるべき行動や態度についても触れていきます。

クレーム対応が難しく感じる方や、警備業界で働きたいと考えている方に向けて、この記事が役立つ情報をご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 警備業法が警備員の職を続けられるかどうかにどう影響するか
  • 警備員がクビになる主な理由とその具体例
  • クレームが警備員の職を失う原因になるケースとその稀さ

警備員がクレーム以外でクビになる背景

警備員がクレーム以外でクビになる背景

基本的に警備員がクビになるケースは、売り手市場の警備業界では少ないと言えます。

ここではまず、クレーム以外の理由でクビになるケースをご紹介します。

警備員がクビになるしかない理由

警備員には、どれだけ優秀な人材であっても、どうしても警備員を続けさせるわけにはいかない理由があります。

それは、警備業法で定められている警備員になるための条件を満たしていない場合です。

クビになった理由が警備業法であったならクビを覆すことは不可能です。

詳しくは下記記事を参考にしてください。

警備員になるための採用条件とは
立って歩ければ2号警備の求人に落ちることはないと言ってきましたが、一応採用するための条件はあります。しかも「警備業法」という法律で定められているため、いくら人手不足だったとしても警備会社はこれに背くことはできません。 警備業法が定める警備員...

警備業法以外でクビになる主な理由

クビになる理由は多岐にわたりますが、主には職場のルール違反が大半です。

無断欠勤

警備会社にとって最も困るのが無断欠勤です。

顧客に迷惑がかかるのはもちろん、警備会社も代わりの警備員を急遽手配しなければなりません。

現場の警備員も、一人足りない状態で業務がスタートすることになります。

これだけ多くの人に迷惑となる行為なので、警備会社によっては一発退場もあるでしょう。

この無断欠勤をさせないために、出発前に連絡をさせる警備会社が多いと思います。

しかし、更に質が悪いのが、出発の連絡をしているのに現場に到着せず、音信不通になるパターンです。

こうなると、会社としても対応の取りようがありませんので、せめて連絡ぐらいは欲しいものです。

無断での遅刻を頻発

2号警備では毎日現場が変わることも多いため、遅刻に関しては比較的寛容な警備会社も多く、遅刻が原因でクビというのは少ないと思います。

それでも遅刻をすれば減給されるし会社の評価も下がると思いますので、時間に余裕をもって現場に向かわなければなりません。

ただし、遅刻についても連絡なしでの遅刻は、会社にとっても現場にとっても非常に困ります。

こういった無断での遅刻が頻発するようだとクビになる可能性も高まります。

当日朝の体調不良で休みを頻発

人間ですので体調不良は必ずあります。

どうしようもないとは思いますが、月に何度も生理が来る女性ってどうなんでしょうか。

会社としては体調不良について真偽は問わないと思いますが、頻発するようなら信用を失います。

連絡してきてるので対応は取れますが、当日の朝に代わりの人員を手配するのは骨が折れます。

会社としては体調不良なのに無理やり出動するようには言わないと思いますが、体調を崩しそうなら、なるべく早めに連絡するようにしましょう。

職務を遂行できないと判断された場合

立っていることさえできればなれる警備員ですが、一日中立っている体力も無いようなら、さすがに警備員の仕事はできません。

また、何を言ってるのか分からない、何を言われても理解できない場合も、コミュニケーションが取れないので仕事になりません。

そもそも、こういった人材を入社させた会社が悪いのですが、サービス業として最低限の職務遂行能力が無ければ解雇されるのは仕方がありません。

クレームで警備員はクビになるのか

クレームで警備員はクビになるのか

では、クレームで警備員がクビになるのかについてですが、一般的にはクレームが原因でクビになるケースは少ないです。

警備員の受けるクレームの種類

警備員のクレームには3種類あります。

・契約している「顧客からのクレーム」
・一般の「第三者からのクレーム」
・一緒に働いている「警備員からのクレーム」

の3つです。

契約している「顧客からのクレーム」

契約しているお客さんから「あの人は来ないで欲しい」と言われたら無理やりねじ込むことはできません。

しかし、多くの警備会社では、いくつもの顧客を持っています。

したがって、顧客からのクレームについては他の現場に回せば問題ないので、クビになるケースは少ないでしょう。

ただし、施設警備の場合は他に回せる顧客が無いことも多いので、解雇される可能性は高まります。

一般の「第三者からのクレーム」

例えば、工事現場付近を通りかかった通行人から「あの警備員は態度が悪かった」といったクレームを受ける場合もあります。

しかし、こういったクレーマーの言うことを、いちいち真に受けていたら警備員は務まりません。

気にせず無視するか、気になるなら現場を変えるかするだけなので問題ありません。

ただし施設警備だと、このクレーマーが施設の利用者だった場合には現場に出しづらくなるため、不幸ではありますが退職を迫られる可能性はあります。

一緒に働いている「警備員からのクレーム」

警備員からのクレームについては、前述した顧客からのクレームと同様です。

他に現場があれば、他に回されるだけで問題ありません。

ただし、警備員からのクレームは一方の言い分だけを鵜呑みにはできないので、他に回されるのはクレームを言っている警備員のほうかもしれません。

警備員1人当たりの採用にかかる費用

警備員の採用にかかる費用は、募集から選考、採用、そして研修までの全プロセスを通じて発生します。

具体的な費用は以下の通りです:

  1. 募集費用: 採用広告の掲載費用が主です。
    オンライン求人サイト、新聞広告、業界誌などのメディアによって費用は異なりますが、一般的には数万円から数十万円の範囲です。
  2. 選考費用: 書類選考や面接にかかる管理費用、面接官の人件費、場合によっては遠方からの応募者の交通費の支給などが含まれます。
    これらの費用は会社の規模や選考プロセスの複雑さによって大きく変わりますが、数万円から数十万円を想定しておくと良いでしょう。
  3. 採用費用: 採用が決定した警備員に対して、契約書の発行、健康診断、身分証明書などの手続き費用が発生します。
    これらの費用は数千円から数万円程度です。
  4. 研修費用: 警備業法によって定められているように、警備員としての基本的な知識と技能を身につけるための研修が必要です。
    研修期間の長さや内容によって費用は異なりますが、講師の人件費や教材費などで数万円、外部機関に委託する場合は数万円から数十万円が目安です。
  5. 装備品と制服の費用: 貸与という形ですが、警備員には制服や無線機、警棒などの装備品が必要です。
    これらの初期費用は、一人当たり数万円から数十万円が一般的です。
  6. その他の費用: 社会保険料の初期負担、労働保険への加入費用など、雇用を開始するにあたっての諸費用も考慮する必要があります。

以上の費用を合計すると、警備員一人あたりの採用にかかる総費用は最低でも数十万円は掛かることになります。

警備会社としては、簡単には辞めさせたくないのが本音です。

クレームによるリスク

クレームの内容にはさまざまなものがありますが、よくあるのは「態度が悪い」「指示や時間を守らない」「仕事ができない」などです。

一度や二度のクレームなら気になりませんが、頻発すると会社も要注意人物と判断します。

しかし、警備員の給料は能力とは関係ありませんので、収入に影響することはありません。

ただし、会社が要注意人物と判断した場合、条件の悪い現場に回される可能性が高まります。

条件の悪い現場とは、遠い現場やキツイ現場などです。

企業が使えない人材を窓際部署に異動させるような感じですね。

クレームで警備員をクビにできるのか法的な問題

警備員をクレームが原因で解雇するかどうかは、そのクレームの内容と解雇の手続きが法的な基準に則っているかによります。

一般に、労働者を解雇する際は、その理由が合理的であり、適切な手続きが踏まれる必要があります。

以下は、解雇が法的に問題を起こす可能性がある状況です。

  1. 合理的な理由がない: クレームの内容が些細で、業務遂行能力に直接影響しない場合、解雇は不当とみなされる可能性があります。
  2. 十分な証拠がない: クレームが事実に基づかず、十分な証拠が提供されない場合、解雇は不当とされることがあります。
  3. 適切な手続きが踏まれていない: 解雇前に警告や改善の機会が与えられなかったり、労働者側の説明を聞く機会が提供されなかったりした場合、解雇が不当とされることがあります。
  4. 差別的または不当な動機: 解雇の背景に差別(性別、人種、宗教等)や不当な動機がある場合、法的に問題があるとされます。

解雇を考える場合、企業は労働法や就業規則等の条項を慎重に検討し、適切な理由と手続きを確保する必要があります。

労働紛争が生じた場合は、法的なアドバイスを求めることが重要です。

警備員がクレームでクビまとめ

記事のポイントをまとめます。

✅警備員がクビになる主な理由は職場のルール違反である
✅無断欠勤は警備会社にとって最も困る行為
✅無断での遅刻もクビに繋がる可能性がある
✅当日朝の体調不良による休みが頻発すると問題視される
✅立っていることさえ難しい人は警備員として適さない
✅警備業法で定められた条件を満たさないと警備員を続けられない
✅警備業法違反の場合、クビを覆すことは不可能
✅クレームが原因でクビになるケースは少ない
✅契約顧客からのクレームがあっても他の現場に回せる場合が多い
✅施設警備の場合は他に回せる顧客がないため解雇される可能性が高まる
✅第三者からのクレームは警備員の仕事に大きく影響しない
✅警備員からのクレームは現場の変更で解決することが多い