警備員の隊長とは?役割・仕事内容・待遇面を徹底解説

警備員の隊長とは?役割・仕事内容・待遇面を徹底解説 すでに警備員

警備員として働く中で「隊長」という役割に関心を持つ方は少なくありません。現場をまとめる立場としての隊長には、一般の警備員とは異なる責任や業務が求められます。しかし、実際には「隊長になるには何が必要なのか」「資格はいるのか」「待遇や収入はどう違うのか」など、分かりにくい点も多いのが現実です。

本記事では、警備員の隊長としての具体的な役割や、就任するための条件・資格について詳しく解説します。また、隊長になることで得られるメリットや、注意しておきたいデメリットについても触れています。さらに、待遇の実情や、どのような人が隊長に向いているのかといった点もわかりやすく紹介します。

これから隊長を目指したいと考えている方も、すでに警備業務に携わっている方も、今後のキャリアを考えるうえで参考になる内容をまとめています。

この記事を読んでわかること
  • 警備員の隊長に求められる具体的な役割
  • 隊長になるために必要な条件や資格の有無
  • 隊長職のメリットとデメリット
  • 隊長の待遇や現場での位置づけ

警備員として隊長に求められる役割とは

警備員として隊長に求められる役割とは

警備員の隊長は、現場全体をまとめる責任ある立場です。単に警備業務をこなすだけでなく、他の隊員が安全かつ効率的に動けるように指示や管理を行う必要があります。

警備員の隊長に必要な資格とは

2号警備の現場で隊長になるには、現場をまとめる知識と経験が必要です。

本来、警備業務検定などの資格者は現場リーダーとしての知識を有しているはずなので、有資格者が隊長の役割をはたすべきではありますが、実際のところ資格は特に必要ありません。

つまり、未経験でいきなり隊長になることは基本的にありませんが、他の隊員を取りまとめることができれば資格はいりません。

警備員の隊長になるにはどうすればいい?

誰を隊長にするかを会社から指示することは無いと思います。基本的には経験年数で決まることが多いですが、

・業者専属(常駐)の警備員がついている場合

・隊長をやりたくてどうしようもない人がいる場合

・ベテランの人があまりにもやる気がない場合

以上の場合は経験年数に関わらず適任者が隊長となります。実際のところは朝に集まった段階で、「この人が隊長やるんだろうな」となんとなく決まってしまうものです。

2号警備の隊長なんてやりたくてやってる人はほとんどいないと思いますので、隊長を引き受けてくれた人には従いましょう。

警備員の隊長の主な仕事内容

警備員の隊長には、現場全体を安全かつ円滑に運営するための多岐にわたる業務が求められます。現場に出るだけではなく、チームの統率や関係者との連携も担う必要があります。以下に主な役割を紹介します。

・監督へ作業内容を確認する
・朝礼時に作業内容、注意事項を発表
・警備員の適正な配置
・配置ごとの注意事項の確認
・新人隊員の教育
・現場全体の状況確認
・警備員全員の状態把握
・休憩回しの段取り
・監督とのコミュニケーション
・終了時、監督から警備報告書へのサインをもらう
・翌日以降の予定を確認

少なくともこれだけの事はやらなければなりません。

まず、毎朝行われる朝礼での作業内容や注意点の共有は基本業務の一つです。ここで全隊員にその日の警備方針を伝えることで、事故やトラブルの予防につながります。

次に、警備員一人ひとりの配置を決定するのも隊長の仕事です。経験や適性、体調などを考慮し、最も効果的な場所に人員を割り振る必要があります。また、配置ごとの注意点も細かく説明しなければなりません。

現場の責任者とのコミュニケーションも欠かせません。業務開始前に仕事内容の確認を行い、終了時には報告書へのサインをもらうなど、報連相を徹底します。

さらに、休憩のタイミングを管理しながら、全体の流れが止まらないよう調整します。加えて、新人隊員の教育や、トラブル発生時の初期対応も隊長の業務に含まれます。

その他にも、隊員の健康状態や表情を日々観察することも大切です。誰かが無理をしていないか、集中力を欠いていないかなど、細かい点にまで気を配る必要があります。

このように、隊長の仕事内容は単なる「現場作業」ではなく、警備全体の運営管理に関わる非常に重要なものです。

警備員の隊長に向いている人の特徴

隊長には特別な資格や経験だけでなく、性格や資質も重要です。どんなに技術があっても、人をまとめる力がなければ、隊長としては機能しません。

まず第一に、冷静な判断力を持っている人が向いています。トラブルや緊急事態が発生したとき、感情的に動くのではなく、落ち着いて対処できる人物が望ましいです。

次に、コミュニケーション能力も欠かせません。監督やクライアントとのやり取りだけでなく、隊員との信頼関係を築くことも重要な任務の一つです。言いにくいことでも丁寧に伝えられる力が必要です。

さらに、全体を俯瞰して物事を見られる視野の広さも求められます。現場の流れ、隊員の状態、時間の管理など、複数の要素を同時に見ながら判断する場面が多くなります。

また、地道な作業や裏方業務に耐えられる人も適任です。目立たない部分の調整や管理を着実にこなす姿勢が、隊長という立場には求められます。

このような特性を持っている人ほど、現場に安心感をもたらし、信頼される隊長として活躍できるでしょう。

警備員の隊長の待遇やメリット・デメリットを解説

隊長の待遇やメリット・デメリットを解説

警備員の隊長は責任の重い立場でありながら、待遇面にはばらつきがあります。業務内容に見合った評価を受けているかどうかは、警備会社によって異なります。

警備員の隊長になるメリットとは

隊長になる最大のメリットは、責任あるポジションに就くことで得られる経験と信頼です。警備業務における実力が認められる証でもあり、仕事の幅が広がります。

例えば、隊員の指導やシフト管理、現場責任者との打ち合わせなどを通して、組織をまとめる力が自然と身につきます。これらの経験は他の業種にも応用できるため、今後の転職活動でも高く評価される可能性があります。

また、一定の警備会社では、隊長クラスに昇格することで収入が上がる制度が設けられている場合もあります。それに加え、管理職への道が開かれる可能性も見逃せません。経験を重ねることで、将来的には教育係や本部勤務など、現場以外の働き方も選択できるようになります。

このように、隊長になることは単なる昇格ではなく、今後のキャリアを広げる大きな一歩になると言えます。

警備員の隊長としてのデメリットも知る

隊長には多くのメリットがある一方で、避けて通れないデメリットも存在します。とくに現場での負担の大きさや責任の重さには注意が必要です。

まず、業務量が格段に増える点は見落とされがちです。警備員としての通常業務に加え、隊員の教育、シフトの調整、クライアント対応などを一手に引き受けることになります。その結果、休憩が取りにくかったり、業務後も報告書の作成などで残ることがあるかもしれません。

さらに、全員の働きぶりや体調にも気を配る必要があるため、精神的なプレッシャーを感じやすくなります。特にトラブルが起こった際には、第一に責任を問われる立場になります。

また、会社によっては役職が変わっても給与が変わらない場合も多く、不公平感を感じる人もいます。努力と責任に対して見合う報酬がないと、やりがいを見失ってしまうこともあるでしょう。

このような現実を知ったうえで、それでも隊長を目指す価値があるかどうかを冷静に判断することが大切です。メリットだけでなく、こうした課題にも目を向けておく必要があります。

警備員の隊長の待遇はどのくらいか

警備員の隊長の待遇は、会社によって大きく異なります。すべての現場で一律に良い待遇が受けられるとは限りません。

多くの現場では、隊長という肩書きがあっても日給や月給が一般の隊員と変わらないケースがほとんどです。

ただし、中には「現場責任者手当」「リーダー手当」などが支給される警備会社も存在します。そういった企業では、隊長としての役割が正当に評価され、日当で1,000円〜3,000円程度上乗せされることがあります。

このように、待遇には明確な基準があるわけではなく、就職先や勤務条件によって大きく変わってきます。事前に制度や支給実績を確認しておくと安心です。

警備員の隊長は敬いましょう総評

ここまで読んでもらえれば分かったと思いますが、隊長とは非常に不遇な生き物です。たまに休憩が中々取れなくて隊長に文句を言っている隊員を見かけますが、とんでもない話です。隊長達は皆、不平も言わずに他の隊員のために頑張ってくれているのです。

たとえ隊長としての能力が足らなかったとしても一度隊長を任せたのであれば素直に従ってあげてください。もし警備会社の方がこれを読んでくださったなら、是非隊長職の待遇を見直してあげてください。多少の手当を見直すだけで必ず会社にとって大きな利益をもたらすことになるでしょう。