2号警備業務を行う上で、通行止めと並んで必ず出来なければならないのが片側交互通行の業務です。
片側交互通行とは
片側交互通行は略して「片交」と呼ばれます。
片側1車線の道路で1車線を使用して工事をするような場合に行います。
片側の車両を止めている間に対向車線の車を流すという行為を交互に行うものです。
車の量に応じて流す間隔を調整するのが重要となります。
片側交互通行のやり方
片側交互通行は警備員の誘導棒や旗で合図をすることによって車を止めたり発進させたりします。
合図の方法は会社ごとで微妙に違います。
合図の種類は、
・流していいですよ
・了解
この3つだけです。
現場によっては下2つだけでも十分可能です。
たった3つの合図ですが、覚えられない人がたくさんいます。
これは新任教育のやり方に起因します。
新任研修で教えられる片側交互通行
新任研修でも当然片側交互通行の練習は行います。
新任研修での練習では片側交互通行を一連の動作で練習します。
先程、合図は3つだけと言いましたが、これは片側交互通行の相手の警備員に対する合図の種類です。
実際には車のドライバーへの対応が加わります。
誘導棒を使用した場合の一連の流れだとこうなります。
(自分側の車が流れていると仮定)
1.車を止める予備動作
2.車を止める動作
3.止まってくれた車に感謝(おじぎ又は敬礼)
4.止まった車を手で静止を促す
5.手で静止させたまま相手の警備員に流していいよの合図を送る
6.静止していた手を誘導棒に変える
(相手から流していいよの合図があったら)
7.誘導棒を手による静止に変える
8.了解の合図をする
9.静止していた手を誘導棒に変える
10.進行方向を確認する
11.静止していた誘導棒を下げる
12.待ってくれた車のドライバーに感謝(おじぎ又は敬礼)
13.進行方向を手で示しながら発進の合図
以上繰り返し
いかがでしょう?
ちなみに文字で分かりずらい場合は下記4コマ漫画を見てみてください。
相手に送る合図は2つだけです。
車を止める予備動作と静止の動作を合わせても5つです。
5つの動作をそれぞれ個別に覚えることは難しくは無いかもしれません。
しかしこれを一連の動作でやると一気にハードルが上がります。
おそらく手で静止辺りで頭真っ白になる人が多いと思います。
正直、これを新人研修で覚えろというのは酷な話だと思います。
しかも研修では車がいない状態で行うのでイメージもしにくいでしょう。
結果的に研修では動作の意味もよく分からないまま機械的に動作を覚えることになってしまいます。
そんなもの現場で通用するわけがありません。
会社側の言い分
「教えることは教えたから、あとは現場で慣れてね」
ということになります。
確かに新人研修で教えられる事には限界があります。
「警備員新任研修を受けてみよう」でも話しましたが、現場に出たとき片側交互通行が出来ないだけで不遇な扱いを受けてしまいます。
現場で苦労したくなければ家に帰って復習する事をお勧めします。
お年を召された方へ
警備員の高齢者比率は非常に高くなっています。
前項でも新任研修の実態はご紹介しましたが、とても高齢の方がすぐに覚えられる内容ではありません。
しかも高齢になると、頭では分かっいても咄嗟に体が動いてくれません。
片側交互通行は実際車と対峙する危険な仕事です。
誤った合図一つで重大な事故を引き起こす可能性があります。
時間は掛かるかもしれませんが慣れれば動けるようになりますので、家に帰ってイメージトレーニングは必ず行うようにしてください。
何より自分の身が危険ですので、一刻も早く慣れるよう努力してください。
片側交互通行まとめ
個人差はあると思いますが、私は片側交互通行が一番好きな業務です。
慣れれば考えなくても体が動くようになるので、こんな楽な仕事はありません。
しかも暇する事が無いので、暇が何より辛い私にとっては退屈しない最高の仕事と言えます。
今回は触れませんが、片側交互通行は信号機が絡むと難易度が相当上がります。
交差点内の片側交互通行だと4〜5人がかりで行なう事もあります。
というより信号の絡まない片側交互通行の方が少ないかもしれません。
道路事情や信号機までの距離、歩行者信号の有無によっても難易度は大きく変わりますので、また機会があればご紹介します。
追記:信号機絡みの片側交互通行