今日たまたまバイクで通った工事現場で、警備員が舗装現場に4トンの合材ダンプを脇道に誘導するのを見かけたので気付いた点をご紹介します。
現場の状況
・舗装する道路は4tダンプが通ると他の車は通れないぐらいの道幅(約7~8m)
・街道から4tダンプが左折にて入場
・街道から脇道の奥までを通行止め
・通行止めの両端とその間に警備員(計3名)を配置
現場はこのような状況でした。
ダンプのドライバー視点
ではダンプの運転手側の視点に立って現場を見てみたいと思います。
現場に向かおうとするダンプの運転手からは、実際の現場は脇道の奥にあるので現場の状況が見えません。
見えるのは脇道に立っている警備員だけです。
この状況でダンプの運転手が警備員に求めるのは、ダンプをそのまま前から侵入させるのかバックで入れるのかという指示が求められます。
それによってダンプの動きが大きく変わるからです。
細い脇道に前から侵入させるのであれば、ある程度ふくらませて曲がらないと入れないかもしれません。
バックで入場なら対向車線や後方の車の動向も考慮しなければなりません。
警備員の役割
ここで通行止めに立っていた警備員がやるべき事を考察してみます。
まずはダンプの入場に際して発生する危険を探します。
大きくは上記3点を最低限防がなければなりません。
これを前提に警備員の取るべき行動を順を追って説明します。
ダンプに進行方向の指示を行う
前項でも述べましたが、ダンプの運転手は前と後ろのどちらから入るかを早く知りたがっていますので、運転手に伝えなければなりません。
ダンプに伝えるには自分が把握していないと教えることができないので、事前に監督や作業員に確認しておきましょう。
覚えておいて欲しいのが、こちらに走ってきているダンプに入場する方向を知らせる合図があります。おそらく全国共通だと思います。
ダンプをそのまま前から侵入させる場合は自分のヘルメットをポンポンと触ります。
逆にバックで侵入させる場合はお尻のあたりをポンポンとたたきます。
たったこれだけでダンプの運転手はすぐに分かってくれますので、警備員側もダンプの行動が把握し易くなり速やかに安全誘導に入ることができます。
ダンプの後ろの車両を止めておく
二人以上の警備員がいる場合は作業を分担すればいいですが、一人の場合は優先順位を決めて作業を行う必要があります。
ここで最も危険なのは歩行者と自転車です。
これらが迫ってきている場合は迷わずダンプを止めましょう。
歩行者と自転車は待っててくれと言っても待ちません。
歩行者や自転車の接近が無いのを確認したらダンプを入場させます。
車は前と後ろだと当然後ろの方が見えにくくなります。したがってダンプの運転手が前から来る対向車線の車にわざわざ突っ込んでいく可能性は低いでしょう。
そこでまずダンプの後ろから来る車やバイクがダンプを追い越さないように止めます。
止まったのを確認したら静止しつつ歩行者や自転車を気にしながらダンプを入場させるという手順を行います。
ダンプが規制の中に入れば完了です。
まとめ
今日見た警備員もそうでしたが、ダンプに向かって誘導棒を振って「入れ入れ」しかせず、ダンプはどうすればいいか分からず現場の手前で止まってしまい、ダンプの後ろにいるバイク(私)も止めなければ歩行者も見ていませんでした。
こういった警備員は決して少なくはありません。
上にも書きましたが、一瞬のうちに複数の行動を取らなければならないので大変だとは思いますが、だからこそ集中力を切らさずに自分の行動を準備しておく必要があります。