2号警備において土木・建築工事と並んで警備員が求められるのが電気・通信の工事になります。年間を通じて仕事が途切れない為、電気・通信の警備を専門に取り扱っている警備会社も数多くあります。
電気・通信の工事とは
街でもよく見かける、主にバケット車を使用して高所の電線周りの作業を行う工事です。電力会社や通信会社、ケーブルTV会社などが施工主となります。警備員は道路や歩道などに設置したバケット車などを警備します。
電気・通信工事における警備員の一日の流れ
1.顧客の事務所に集合
土木・建築現場だと現地集合が基本ですが電気・通信工事の場合は顧客の会社に集合するケースがほとんどです。土木工事のように現場がどこか分からないといった事は起こりにくいでしょう。
2.指定された作業車に同乗して現場に移動
工事内容にもよりますが、作業車1台につき警備員1人が同乗するケースが多いでしょう。集合時は仲間の警備員が何人かいるかもしれませんが、現場では一人で警備を行う事が多くなります。
3.現場にて車両や歩行者を誘導
現場に着いたら作業車をカラーコーンで囲んで規制し警備を開始します。現場によって車道や歩道に作業車を設置するので、状況に応じて車両や歩行者を安全に誘導する必要があります。
4.作業終了後、次の現場に移動
電気・通信工事の場合は1か所で一日を終えることは少ないでしょう。1か所作業が終わったら規制を解除し、作業車に乗り込んで次の現場に移動というのを複数個所回ることになります。
5.最終現場での作業終了後、現地解散または顧客の事務所に戻って解散
業者によって異なりますが、最終現場でそのまま解散という場合と朝集合した事務所に戻ってから解散という場合があります。自転車やバイクで通勤する人はこのどちらになるか事前に確認しておかないと、現地で車を下ろされて自転車やバイクを朝集合した事務所に取りに戻らなければならなくなってしまいます。
現場での警備員の仕事内容
現場の状況は様々です。道路に作業車を置けば片側交互通行や幅寄せ、通行止め等、状況に応じて誘導を行う事になりますし、歩道に置いた場合は歩行者や自転車の安全な誘導を行います。基本的に一人での警備になりますので、片側交互通行の場合には一人片交になってしまいます。
現場に着いた瞬間から警備が始まりますので、ゆっくりと現場周辺の状況を把握する時間はありません。慌ててしまいがちですが、落ち着いて状況把握に努めましょう。作業車1台分程度の規制なので、普通に路駐の車が1台止まっている程度で考えておけば問題ありません。
誘導警備の仕事についてはそれほど難しいものではありませんが、電気・通信の警備で最も懸念されるのが作業車を規制するのをどこまで手伝うべき?という問題です。これに関しては顧客や作業員によって考え方がまちまちで「そんなのは手伝って当たり前だろ」という人もいれば「警備員は車だけ見ていて欲しい」というケースもあります。
一番いいのは朝集合した時に仲間の警備員に聞くといいでしょう。それで分からなければ移動中に作業員さんに直接訊ねてもかまいません。ちなみに私の場合は、「現場着いたらカラーコーンで囲うのとか手伝ってもいいですよね?この前行ったお客さんで警備員はカラーコーンとか触らないでいいから警備だけしてろって怒られちゃったもので」といった言い方で作業員さんに訊ねます。そうすると作業員さんが、「手が空いてたらカラーコーンぐらい並べてくれればいいから」とか「看板だけ出してくれればいいから」とか教えてくれます。
どうしても聞くのが面倒ならとりあえず手伝ってしまうというのが無難だとは思いますが、警備員の仕事は周囲の安全を確保することですので、カラーコーンを並べている間に事故を起こしてしまうのでは本末転倒です。必ず周囲を警戒しながら手伝うようにしましょう。
電気・通信現場での注意事項
・移動中勝手にタバコを吸わない
・前日に深酒をしない
・身なりは清潔に
警備員としてと言うより人としてのマナーに属する事柄になります。車という密閉空間にお客さんと接する訳ですので最低限のマナーは守りましょう。実際、上記事項をしてしまってその場で車を下ろされてしまった警備員を数多く聞きます。上3つは論外ですが、身なりについては、夏場は特にこまめに洗濯するなどして体臭には気をつけましょう。だからと言って香水をつけるというのも逆にクレームになったケースもありますので、気になる方は消臭剤程度でごまかしましょう。
総評
あくまで個人的な意見ですが、私は電気・通信警備の仕事は好きではありません。極端な人見知りとコミュニケーション能力の無い私にとって、見知らぬ作業員さんと一日ドライブは苦痛でしかありません。毎日同じ作業員さんと組む前提であれば逆にやり易いとは思いますが、そうでない限り私には続けることができないでしょう。
逆に私と違って話好きで誰とでも仲良くなれるような方であれば、電気・通信警備の仕事は仕事自体はそれほどきつくもありませんし、移動中はエアコンのきいた車内でくつろげますので非常に快適な仕事と言えるでしょう。